経済的自由への道標

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【徹底比較】売電単価21円と18円の収支はどちらが上なのか|売電単価は投資収益に関係ないのか?

こんにちは、サラリーマン社長です。
さて今回は、太陽光発電の『売電単価が投資収益に与える影響』について解説します。


売電単価が下がっているみたいだし、太陽光投資はあまり儲からないんじゃない?

という方も多いのではないでしょうか。
ということで比較検証してみました。

結論→売電単価は気にしなくても良い

※今のところ

売電単価が下がったら、単純に売上が下がるのでは?と思われる方も多いと思います。

当然、太陽光設備の販売業者も同じことを考えるので、なんとかして投資収益を上げて、投資家に買ってもらえる仕組みを作りたいわけですね。売りたいので。

で、実際に行われているのが『過積載』という技です。

今回は過積載について詳しく説明するのですが、これを説明する前に通常の太陽光発電の流れをまとめてみます。

 

太陽光で発電された電気がお金になるまでの流れ

要するにこういうことです。
  • パネルで作られた電気はパワコンと呼ばれる機械に送られます
  • パワコンはそのスペックによって貯められる電気の量が決まっています
  • パワコンに溜まった電気は電線を通って〜電力に送られて、その量に応じて売却価格が毎月振り込まれます。
  • 低圧太陽光発電投資(いわゆるサラリーマンがやる太陽光投資)はパワコン容量が50kWまでという決まりがあります(50kWを超えると高圧になり税制も変わる)
  • 太陽光がカンカン照りになり、パワコンに送られる電気が50kWを超えてしまった場合は、パワコンのキャパオーバーで超えた分はなかったことになる(ピークカットという)

こんな流れでお金が振り込まれてきます。ここまでが前置きです。

さて、パワコン仕様に合わせてパネルも50kW分でいいよねーと考えるのが普通です。1日の発電量を時間推移でグラフにするとこんな図が出来上がります。


昼になるにつれて発電量は上がっていき、夜になると日が沈むので発電しません。
また、パワコン容量を超えた場合、ピークカットされて、その分の電気(赤色部分)は無視されます。

この図では、お金になるのは図の水色部分ですね。これに売電単価を掛け算したらその日の売上が決まるわけです。

これがいわゆる太陽光発電投資の仕組みです。


さて、売電単価が下がったとします。
仮に21円から18円に下がったとしたら、青の面積×18円になるわけですから、単純に考えれば売り上げは下がります。21円から18円なので15%ほど下がるはず。

そうなってしまうと利回りが下がるので、投資物件として買ってもらえなくなるわけです。そこで、いわゆる『過積載』という技が使われます。

過積載とは何かを説明します

過積載というのは、パワコンは50kW以下にして低圧にしたままで、太陽光パネルはそれ以上載せてしまう=枚数を増やすというものです。

余計に発電したものはカットされちゃうから意味ないのでは?と思われるかもしれませんが、図にしてみると良く分かります。


パネル容量が大きいと、当然ピークカットされる量が増えます。一方で、たいして太陽光が照ってない時間帯の発電量はパネル数増加に伴って増えます。

図のオレンジの部分がそれを表します(時間は適当なので雰囲気だけ掴んでもらえれば。深夜1時にこんな発電してくれたらいいな笑)。

これにより、売電単価が下がってもパネル容量(枚数)を増やすことで発電量を増やし、収益が落ちないようにするわけです。こうして表面利回りをあげて投資案件として販売するのですね。

これが、売電単価が下がっても見かけ上の表面利回りが変わらない仕組みです。


21円と18円の投資収益比較

ということで、実際に比較してみました。

僕が持っている低圧太陽光発電所4基の収益を時系列で並べてみます。内訳は、21円物件が2基と18円物件が2基です。



(2019/06-2020/05の1年間の売電収入)
21円物件①:2,106,893円
21円物件②:2,133,925円
18円物件①:1,909,362円
18円物件②:1,956,518円

21円物件平均:2,120,409円
18円物件平均:1,932,940円

お!21円の方がやっぱり高いのか?と思いましたが、その差は8.8%。売電単価の差である15%まではいきませんでした。

とはいってもやっぱり8.8%の差は売電単価なのではないか?という疑問もあるので、同一物件の同時期比較もしてみました。

21円物件①
2018/09-2019/03:981,314円
2019/09-2020/03:1,063,479円
差:8.4%

21円物件②
2018/09-2019/03:1,039,488円
2019/09-2020/03:1,025,794円
差:1.3%

21円物件①を見る限り、8%くらいは年によるばらつきの範囲内なのかも?と思う一方、21円物件②は年による違いがほぼありませんでした。場所による違いなのか?あたりまえですが笑

ということで、このデータから得られる結論はこうです。

  • 売電単価が違う物件を同時期で比較したら8%程度の差は見られた(売電単価が高い方が売り上げが高かった)
  • 同一物件同士で同時期比較をすると8%強のばらつきは見られた。天候の違いによりこれくらいの差は出てくるのだろうと想定
  • 21円と18円では8%ほど差が生じたが、売電単価(15%差)ほどの差は見られなかった
  • (それでも売電単価の違いは影響が少しはあるような気がする)※気持ちの問題


当然デメリットもある

では、別に売電単価なんて気にしなくてもいいじゃん!どんどん買っちゃおうぜーー!と思われる方もいると思いますが、もちろんデメリットはちゃんとあります。

 

デメリット① 融資

売電単価を重視して評価する金融機関があります。シンプルにいうと、売電単価が下がったらその銀行から提示される融資条件が厳しくなります。

 

そうなるとキャッシュフローに影響してきますので、以前書いた通り太陽光をやる価値に影響してきます。

 

デメリット② 販売業者の倒産リスク

過積載は太陽光パネルを多く積みます。そのため、原価は上がります。

 

業者が利益を確保するためには、価格の安い(質の悪い)パネルや土地を使って物件を組み立てるしかありません。

 

さらにそれがエスカレートしてくると、利益が出せず運営が回らず倒産するリスクが出てきます。直近でもだいぶ多くの会社が潰れているようなので。

 

倒産すると何が面倒かというと、管理する人がいなくなるので、自分が管理する必要が出てくるわけです。

 

遠くの土地まで出向いて草むしりをしてパネルの汚れをとってパワコンの稼働状況を見て…。
面倒ですね、ということでリスクです。
 



ということで今回は太陽光の売電単価の違いをまとめました。
結論大差はありませんでしたが、デメリットを考慮して投資を楽しめればいいのかなと。
そんな感じで。

今回は以上です。
それではまた。